原因がはっきりしている高血圧症

高血圧症のうち、原因や病気がはっきりわかるものを「二次性高血圧症」といいます。
もっとも多いのは腎臓の病気に伴うものです。
次に多いのが副腎に原因があるものです。
心臓や血管に原因があるために高血圧症が起こることもあります。
これらは30歳以前に発病することが多いのが特徴です。
まだ若いのに血圧が高い人は、二次性高血圧症の可能性があります。
薬物のほか、手術などで根本的にその原因を治療すれば、高血圧は解消されることがあります。  

原因がはっきりしない高血圧症

一方、原因がはっきりしない高血圧症は「本態性高血圧症」と呼ばれています。
原因がはっきりしないというのは、さまざまな原因が絡みあって絞り込めないということです。
高血圧症の人のうち、およそ90%はこの本態性高血圧症です。
一般に、40代では10〜15%、60代になると40%以上の人が本態性高血圧症だとされています。  本態性高血圧症の場合、血圧が高くなるだけで、頭痛や肩こり、動悸、息切れといった、ごく軽い症状しかないため、本人が自覚しないことがよくあります。
しかし、病気はひそかに進み、やがて臓器などに障害が及んで、めまいや目のかすみといった症状がはっきりしてきます。
高血圧症が「サイレント・キラー」といわれるのは、このような理由のためです。
血圧が高いほど、将来的に脳卒中や心臓病、腎臓病などの病気になる確率が高くなります。
 したがって、現代医学では将来病気にならないことを第一の目標に、その人のからだの状態に応じて、食事療法や運動療法、薬物療法などの方法を組み合わせながら治療を行います。

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