DNAチップの解説
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DNAチップは、病気の原因であると思われる遺伝子の有無を簡単に調べることができる小さな検査器具のことです。
遺伝子の研究や病気の診断につかいます。
チップはシリコンやガラスの薄い板でできており、大きさはマッチ箱程度です。
板の表面には肉眼で見ることはできませんが、遺伝子を構成する科学物質のDNA(デオキシリボ核酸)がたくさん貼り付けてあります。
患者から採った血液を処理してチップの上に垂らした時、血液中に病気と関係した遺伝子があれば表面のDNAとくっつくため、病気かどうかを瞬時に判断できます。
すでに脳卒中やガンなどの検査を目的としたDNAチップが販売されており、国内の大学病院で利用が始まっています。
これまでの病気の診断は血液中の蛋白質を調べたり、エックス線などの検査装置を使っていましたが、病気を見落としたり、誤診することもありました。
遺伝子の働きを調べれば、病気の早期発見や医薬品の副作用の予想も可能になるため、医療現場では遺伝子検査のニーズが急速に高まっています。
この遺伝子検査を簡単にできるのがDNAチップの特徴です。
ただ、チップ1枚の価格は数万円で、医師が常時使えるようにするには安価にする必要があります。
このため、世界中の研究者がより安価で高性度のDNAチップ開発に取り組んでいます。
DNAチップの特許は米アフィメトリックスが持っており、世界市場の大部分を押さえています。
国内では宝酒造がDNAチップを販売しており、キャノンや日立ソストウェアエンジニアリングなども開発進めています。
このチップは病気の診断だけでなく、遺伝子組替え食品の検査にも利用が見こまれています。

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