カンジダ膣炎     カンジダ膣炎の解説


カンジダ膣炎はカビの一種である真菌類に属する、カンジダ・アルビカンスの感染によって起こる膣炎です。
カンジダは、膣内だけでなく、口、気管支、肺などにも寄生しているもので、いつでも病原性を持っているわけではありません。
健康体にも寄生していることが多いカンジダですが、いったん病原性を得ると発病して炎症を起こすのです。
発病の動機についてはまだ明らかにされていませんが、カンジダ膣炎は、妊婦に多いこと、分娩後は自然になおってしまうこと、糖尿病とかビタミンB2の欠乏した人、栄養不良の人に多い点から、全身の健康状態の変化が、発病の誘因になっていると考えられています。
また、抗生物質を強力に使ったときに、カンジダがあらわれる傾向がみられることから、抗生物質によって細菌が殺されるが、かわりにカンジダがあらわれるので、菌交代現象が起こるのだと考えられているのです。
症状は、外陰部の激しいかゆみで、程度の差はあっても、気が狂いそうなほどのかゆみを訴えてくる場合が多いようです。
外陰部は赤くただれて、ひどくなると皮膚が乾燥してカサカサした感じになってくることもあります。
おりものは、カッテージチーズのような白くてぼろぼろした感じで、ときには、膣の中にいっぱい詰まっているほどで、膣口や、小陰唇、大陰唇にまでついていることもあります。特別な悪臭はありません。
治療は、一%のゲニチアナ・バイオレットを塗ると非常に早くきれいになおるのですが、最近ではトリコマイシンや、ピマフシンなどの膣錠とか軟膏が使われます。トリコモナス膣炎と同じように、非常にしつこく再発しやすい病気ですから、おりものの培養によって菌が出なくなるまで治療するほうがよいのです。
しかし、局所治療だけでなく、カンジダを発病にみちびく全身の病気や状態をなおすことが大切で、いつでも健康な体の状態を保つことが、この病気の予防でもあり治療でもあるのです。
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