コラーゲンの衰えが招く血管の老化 |
よく『老化は血管から』といわれます。 全身に張りめぐらされた血管は、鉄道や道路にも例えられます。 鉄道や道路は、私たちの生活に欠かせない物質を補給し、逆に不要になった物質を運び出すのに欠かせないものだからです。 私たち一人ひとりを細胞に置き換えて考えてみると、わかりやすいかもしれません。 鉄道が脱線事故を起こしたり、道路が破損されて車が動かなくなっては、経済活動は滞ります。 これと同じように、血液の流れが悪くなれば細胞の活動に支障をきたします。 ![]() その傷の修理は、コラーゲンをつくる働きが鈍ればスムーズにいかなくなります。 傷口の修復がうまくいかないと、血液中のコレステロールやカルシウムなどが、傷口から侵入しやすくなります。 傷口の修復力が低下した状態は、コラーゲンの新陳代謝が低下して、すでにコラーゲンが柔軟性を失った状態といえます。そして、その部分が硬くなってきます。これが動脈硬化の始まりです。 血管に動脈硬化が起こると柔軟性が失われ、高い血圧となります。 高血圧は、血管に与える負荷が大きくなる状態です。 血圧は常に一定であることが望ましいのです。 普通は、強い血流のときは弾力に富むゴム管のように伸び、静かな血流のときは正常に戻ります。ところが、動脈硬化を起こすと、血管が硬くなり弾力性が失われてきます。 血圧の調整ができなくなってしまうのです。 拡がらない血管の中を血液が流れなければならなくなり、血圧を上げることで血液を流すしか、手がなくなるのです。 また、血管に生じた傷口には、前述のようにコレステロールがつきやすくなります。それが積み重なると、コレステロールが血管を狭めるようになります。あたかも、お粥のような状態でコレステロールが積み重なって血管の内側を狭くしていくのです。 さらに、コレステロールにカルシウムが沈着して粘土が固まったような状態となり、血管はもろく壊れやすくなります。 とくに冬の寒い朝、温度が下がり、粘土で固められたような血管の璧がパリッと音をたてて壊れれば、脳出血となります。 また、剥がれた壁が血管を詰まらせれば、脳梗塞や心筋梗塞を起こします。 これらの疾患は死に通ずるか、仮に命を取りとめたとしても、障害を起こす可能性があります。 ← 戻る |