月経不順

月経周期が長い


月経不順とは、月経の周期・持続日数・経血量が正常範囲をはずれていることをさし、月経痛・経血の色や性状の異常なども含まれています。
月経の周期と持続および経血の量・色・性状には、相互に関連性があり、病態によって相対的に変化が現れますので、注意して観察する必要があります。「月経痛」は別項を設けていますので、参照してください。
月経は、臓腑・経絡の協調のもとに、血が衝脈・任脈(衝任と簡称する)を通じて胞宮に下ることによって正常に発来します。
各臓腑は「心は血脈を主る
・肝は血を蔵す・脾は統血す・脾胃は生血の源・腎は精を蔵し血を生ず・肺は百脈を朝す」といった関係で、血の生成・運行に関与しているので、いずれかの臓腑・経絡に異常があれば、月経にも異常が現れます。
安易にホルモン療法などでその場をしのぐのではなく、病態を根本的に改善して自力で月経を正常に発来させるべきであり、中医学的治療が有効かつ安全です。
ただし、先天的異常・器質的病変・悪性腫瘍などが関与している場合もあるので経過によっては西洋医学的な診断を受ける必要もあります。


経行後期
弁証 主症 治法 代表方剤
血寒
寒凝
周期が延長・経血色が暗紅で少量・
凝血塊や強い月経痛、からだに触れると
いやがる・下腹部の冷え・顔色が青いなど
の症状があります。
温経散寒 当帰四逆加
呉茱萸生姜湯
虚寒 周期が延長・経血色が黒く量が少ない・
月経終了後に下腹部の鈍痛、元気がない
・寒がる・下腹部や手足の冷え・腰や膝が
だるく無力などの症状があります。
温陽調経 八味地黄丸
血虚 周期が延長・経血色が淡く量が少ない・
月経終了後に下腹部が痛む・顔色や皮膚
につやがない・毛髪があれる・爪がもろい・
目の疲れ・しびれ感などの症状があります。
養血益気 十全大補湯
人参養栄湯
肝鬱気滞 周期が延長・経血量が少ない・月経前または
前半に下腹部の痛み・ゆううつ・いらいら・
ヒステリックな反応・怒りっぽい・胸脇部や
乳房が脹るなどの症状があります。
疏肝解鬱
行気
加味逍遥散
痰湿 月経の周期が延長し、経血が淡色で粘稠であり
普段から帯下が多く、肥満ぎみ・体がだるい・むくみ
胸や腹が張って苦しい・吐き気・口が粘る・白く
べっとりした舌苔などをともないます。
健脾化痰
去湿
二陳湯
平胃散
六君子湯



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