ひざの痛み |
ひざの痛みは、安静にしていると痛まないが、動くと痛みが増す。長くわずらっている。これらの背景には、肝と腎の老化があります。肝腎が衰えると、全身の気血が不足して、体の体液や冷えなどの外部因子が侵入しやすくなります。その結果、痛みが発生します。 漢方では、痛みを抑えるとともに、肝腎の働きを補う治療をします。 |
・ひざ関節が腫れて痛む
・寒い日や雨降りの前に痛みが増す → 冷えや湿気を取り除く
・しびれをともなう引きつるような痛み
・夜間に痛みが強くなる → 湿気を取り除き、血液循環をよくする
・年とともに痛むように
・階段の昇り降りができない
・歩くのがつらい → からだ全体の精力・活力をつける
弁証 | 主 証 | 治 法 | 代表方剤 |
風水 | 悪寒、発熱、膝の急な腫れと痛み、むくみ、汗が出ない、 尿量の減少。舌質は淡紅、舌苔は白 |
利水消腫・ 宣肺健脾 |
越婢加朮湯 |
寒湿痺阻 | 膝関節の冷痛や腫脹、寒がり、気候が寒くなる、 あるいは雨の日に痛みが増強する。痛いところが 固定しており、ときに下肢の重たい感じやしびれ感 をともなう。舌質は淡、舌苔は白膩 |
散寒除湿・ 通痺止痛 |
五積散合 桂枝加苓朮附湯 |
血虚風湿 | しびれを伴い、引きつるような痛みがつづく。 痛みが夜間に強くなる。皮膚につやが無い。 筋肉がひきつる。物がぼやけてみえる。髪の毛が やせてつやがなくなる。舌質は淡、舌苔は白。 |
去風湿・ 補血活血 |
疎経活血湯 |
気血両虚 | 膝関節の無力感、正座時や階段を降りるときに痛む、 あるいは立ち上がる時に痛くなる。寒冷や疲労により 痛くなる。しばしば顔色が悪い、下肢の無力感、全身の 疲労倦怠感をともなう。舌質は淡紅、舌苔は薄白 |
益気養血・ 活絡止痛 |
人参養栄湯合 防已黄耆湯 |
肝腎虚損 | 膝関節の変形や無力、正座時や階段を降りる時、 あるいは立ったり座ったりする時に痛みが強くなり 困難となる。歩行時の痛みも増強し、関節可動域の 制限も多くなる。腰や下肢の脱力感、筋肉の萎縮など をともなう。舌質は淡嫩、舌苔は薄白 |
益気肝腎 補気血 活絡止痛 |
陰虚:杞菊地黄丸合 四物湯 陽虚:八味地黄丸 |
脾腎陽虚 | 膝関節の沈重感、腫脹、痛みなどを長期的に繰り返す。 関節の冷感、無力感、下肢の寒がりや冷え、ときに下肢の 浮腫、関節内の水の貯留、食欲不振、疲労倦怠感などを ともなう。舌質は淡、舌の周辺に歯痕があり、舌苔は白膩。 |
温経助陽、 健脾養血 |
鹿茸大補湯 |
気血オ滞 | 膝関節に刺すような痛みがあり、痛いところが固定し、 圧痛がひどい、しばしば関節可動域の制限、転んだり 捻挫したりした外傷歴、筋肉の萎縮などをもなう。 舌湿は淡暗あるいは紫暗、舌苔は薄白。 |
活血化オ・ 通絡止痛 |
冠脉通塞丸 |